B型肝炎ウイルス（HBV）の母子感染（MTCT）予防の標準的なケアとして、妊娠28週目からの母親の抗ウイルス予防、HBVワクチンシリーズ、出生時のHBV免疫グロブリン（HBIG）の併用が一般的である。本研究は、妊娠16週目からテノホビルジソプロキシルフマル酸塩（TDF）とHBVワクチン接種を開始する方法が、妊娠28週目開始の標準治療と比較して劣っていないかを検証した。中国の7つの病院で実施された非盲検ランダム化試験において、280人の妊婦を対象に調査を行った。
　結果、16週目からのTDFとワクチン接種のMTCT率が標準治療と比べて劣らないことが確認された。試験完了した妊婦の間でMTCT率は実験群で0.76％、標準治療群では0％であった。また、先天性異常の発生率は実験群で2.3％、標準治療群で6.3％であった。これにより、HBIGがない地域でも妊娠16週目からのTDFとワクチン接種が有効であることが示唆された。

JAMA. 2025 Feb 4;333(5):390-399.　DOI: 10.1001/jama.2024.22952
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