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The BMJ
2018年から2023年にかけて⾏われた中国の6つの三次病院での多施設共同⼆重盲検ランダム化プラセボ対照試験では、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)患者154名を対象に、Na-グルコース共輸送体2阻害薬ダパグリフロジンの有効性と安全性が評価された。患者はダパグリフロジン10mgまたはプラセボを48週間経⼝投与された。ダパグリフロジン群では、プラセボ群に⽐べ、肝線維症の悪化を伴わないMASH改善、MASHの消失、線維症の改善の割合がそれぞれ53%、23%、45%と⾼く、統計的に有意であった。また、副作⽤による治療中⽌はダパグリフロジン群1%、プラセボ群3%であった。
BMJ. 2025 Jun 4:389:e083735. DOI: 10.1136/bmj-2024-083735
Editorial
ダパグリフロジンと代謝機能障害関連脂肪肝炎
線維症と脂肪肝炎を改善する
代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD)は、単純脂肪肝から肝硬変、肝がんまで幅広い疾患で、世界の有病率は約30%である。肥満や2型糖尿病の増加が主因である。治療は主に代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に焦点を当て、肝生検による組織学的エンドポイント(脂肪肝炎の解消や線維症の改善)が評価される。中国での48週間の試験で、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンはMASH患者(非肝硬変)で有効性を示し、主要エンドポイント(MASH改善、線維症悪化なし)は治療群53%、プラセボ群30%で達成した。副次的アウトカムでも脂肪肝炎解消(23%対8%)、線維症改善(45%対20%)で優位であった。安全性は良好で、有害事象は治療群で少なく、重篤な事象はなし。SGLT2阻害剤は血糖コントロールや心腎保護効果も提供した。近年、レスメチロム(米国初承認薬)やセマグルチドもMASHで効果を示し、ダパグリフロジンとの比較では各薬剤が異なる患者特性で有効性を発揮した。薬物治療には食事介入や生活習慣変更が不可欠で、プラセボ群でも組織学的改善が見られる。今後、個別化治療が進展し、代謝改善と心血管利益を両立する薬剤が求められる。
BMJ. 2025 Jun 4:389:r1101. DOI: 10.1136/bmj.r1101
〔この記事はAIを使用して作成しています〕